デンマーク留学体験記 第1弾
夏からデンマークに留学をしているメンバーが、留学先での体験や学校生活を詳しくレポートしてくれています。彼女は高校生の時も1年間アメリカに留学経験があります。現在は大学生としてさまざまなチャレンジをする中で、今回の留学も大きな経験となっているようです。こちらでも数回に分けて一部シェアしますね。
掲載されたのはメンバー向けの会報誌の『月刊 GL plus!』です。通っている学校は、「フォルケホイスコーレ」というデンマークを中心に北欧独自の教育機関だそうで、 現地の様子を少しでも感じてもらえると思います。(以下、「会報誌vol.14 9月号」から一部抜粋です)
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今日は私の学校生活について紹介させていただけることになりました。日本にはないこの学校の面白さが少しでも伝わればなと思います...!
●フォルケホイスコーレとは?
私は「フォルケホイスコーレ」(以下ホイスコーレ)という、デンマークを中心に北欧で広がっている大人のための学校に通っています。教育格差の激しかった1800年代のデンマークで「すべての人に教育を」というコンセプトのもと生まれました。大学とは異なり、18歳以上であれば誰でも入学試験なしに入学できます。
デンマークは高校や大学卒業後にギャップイヤー(卒業から進学・就職までに一定期間を設けること)が一般的で、そのギャップイヤーの過ごし方の一つがホイスコーレへの入学です。デンマークに約70校ありますが、学校によって特色が異なるため(芸術、文学、スポーツ、福祉、哲学など)自分が学びたい分野の学校を選びます。
どの学校も試験や成績評価、単位などがなく、相互作用によって学ぶことを大事にしています。ホイスコーレはコミュニティの中での学びを大事にしている学校なので、全寮制という形を取っており、約半年間背景が異なる生徒たちと共同生活をしながら学びを深めていきます。
私が通う学校は、なんと日本人の方が設立した学校で、日本人の先生や料理人さんもいらっしゃいます。日本人の先生からデンマークの文化や価値観、福祉や教育、政治について学べる授業があり、日本人留学生の多くがこの授業をとっています。日本からの留学生は毎学期約20人もいるらしく、今期も全体約40人中17人が日本人です。
その他には、デンマーク、ドイツ、メキシコ、 グリーンランド、韓国からの学生が集まっています。年齢層は、18歳から25歳前後の方が多いですが、社会人を経験した後に学び直しとして留学に来た30代、40代の日本人も何人かいらっしゃいます。
●余白のあるホイスコーレの1日
朝7:00にルームメイトと一緒に朝を迎え、リビングで他学生と一緒に朝食を食べます。食後の朝礼では先生から面白いお話を伺い、みんなで歌を歌います。その後午前の授業を受け、昼食をみんなで食べ、午後の授業を受け、夕食をみんなで食べます。このような流れですが、あいだあいだに自由時間が多いため、他学生との交流の時間がたくさんあります。
夕食後には他学生たちと談話室でゆっくりお話ししたり、わいわいゲームやスポーツをしたり、映画鑑賞したり、カラオケしたり、近くの海まで自転車を走らせたりと、過ごし方はさまざまです。友達とたっぷりお話ししたとしても、1日の最後に自分 の向き合う時間を取れるだけの時間があり、とても心地がいいなと感じています。
●こんなことを考えて生活しています
コミュニティの一員として、どのような自分で生活したらいいのか、どういう考え方や行動がみんなにとってのベストな学校につながるのかを考えながら生活しています。常に他学生に囲まれた生活なので、相手と向き合ったり、相手と向き合うときの自分と向き合ったり できる環境だなと感じています。
朝から寝る前まで他学生と一緒に生活するため、授業だけではなく、ご飯を食べている時やアクティビティをしている時、自由におしゃべりをしている時など、24時間分のその人と関わることができます。そのため、その人の得意なところや苦手なところがいろんな場面を通して見えてきて、人は一面ではなく多面的なのだと頭ではなく体感して学ぶことがで きています。
自分の部屋を一歩出ると誰かがいる生活なので、たまたま通りかかった話し合いの輪に入ったら面白い話ができたり、お昼にたまたま隣に座った方と夜遅くまで語り合ったりと、毎日が偶然の出来事の連続でもあり、奇跡の連続でもあるなと感じています。今日がどんな1日になるのか、はじまるまでわからないというワクワクを胸に、毎日をとても楽 しんでいます!
長くなってしまいましたが、ホイスコーレについてみなさんにご紹介できて嬉しく思います。残り約3ヶ月も色んな経験をしてみなさんにシェアしていきたいです♪
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~ 第2弾へつづく ~